「コンテンポラリー・アートの現在」という講座を受けに東京に来ています。

結論から言うと、(“Contemporary art” is not “contemporary” art)

現代美術は「現代の」美術ではない。

という事です。

まだ明日も講義があるので半分の理解の最中かもしれませんが、なんとなくその意味するところはわかります。

今日聞いたキーワードの中で気になる言葉がありましたので少しだけシェアさせていただきます。

美術の教科書などに出てくる「現代美術の父」マルセル・デユシャンの《大ガラス》(1915-1923)という作品をご存知ですか?正式名称は(彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも)という作品ですが、作品名にはそれ程意味はないそうです。大きなガラスにオブジェというか絵画を閉じ込めた作品ですが、ある時運搬中にあってはならない事故が発生したそうです。

何とガラスにヒビが入ってしまい大事な作品が作者の意図しない形になってしまったとか。普通だったら弁償請求の事態に発展しかねないですよね。

ところが、彼はそのヒビを見て「むしろこの作品が完成した。」と言ったそうです。

ここで出て来たのが「芸術係数」という言葉。

ある作品において〈計画された事柄〉と〈実現された事柄〉、すなわち企図と実現のギャップ。たとえば両者のギャップがゼロであるとき、芸術係数は0となる。また、理論上それは〈意図されながら実現されなかった事柄〉と〈意図されずに実現された事柄〉のギャップということにもなるそうです。

芸術係数の掛け算によって導き出された作品は作者が意図していたものよりも「網膜的な作品でない作品を作る。」そのギャップを受け止めるアーティストとしては喜ばしい事だったのかもしれませんね。